〜胃潰瘍について〜
◆どうして胃潰瘍がおきるの?

胃潰瘍というのは、自分の胃液によって胃の粘膜を自分で消化してしまうことから起こります。自分で自分の胃の組織を削ってしまうということです。

症状は、胸焼けを繰り返したり、食後にみぞおちが痛む、などですがほとんどない場合もあります。

原因は、現代人が多くさらされているストレスや生活習慣によるものから、近年は、ヘリコバクター・ピロリという菌によって引き起こされるものも増えてきています。

◆胃潰瘍の診断
自覚症状だけで胃潰瘍という診断はできません。必ず検査が必要です。
バリウムを飲んでレントゲン撮影をして影をみつける胃透視検査だけでは、完全ではないので、胃内視鏡検査が望ましいです。

当院の極細のスコープを鼻から通して胃の中を見ることができる内視鏡装置では、痛みや吐き気を最小限に抑えながら的確な診断が可能です。

内視鏡検査のいいところは、潰瘍を発見するだけではなく、その状態(できたばかりの活動期なのか、慢性化しているものなのか、潰瘍ができていたけれども自然に治り痕が残っているものなのか)を診断することができる点です。

安心して検査をお受けいただくためにも、心配なことがおありでしたら早めに受診することをおすすめします。

◆どんな治療法があるの?

●薬物療法

H2ブロッカーということばを耳にしたことがおありかと存じます。これは、酸分泌抑制薬という胃酸の分泌を制御するお薬で、ガスターや、ザンタック、アルタットといったお薬の名前も聞かれたことのある方が多いのではないでしょうか。このH2ブロッカーというお薬を使うようになり、胃潰瘍の薬物療法による治癒率が非常に上がりました。
そのため、従前の外科的手術による胃潰瘍切除ということはほとんど行われなくなってきています。

最近では、PPIというH2ブロッカーよりもっと胃酸分泌制御する力の強いお薬も出てきており、胃潰瘍も早くて高い治癒率が実現しています。

治療の早い段階からこの酸分泌抑制薬を使用することによって再発を減らしたり、治療が終わった後も継続して続ける(維持療法といいます)ことによって再発を抑えることもできるようになってきました。


◆胃潰瘍を起こさないために

●生活習慣に気をつけましょう

▼早寝早起きなどの規則正しい生活をしましょう。
▼食事はバランスのとれたものをとり暴飲暴食は控えましょう。
▼タバコやアルコールは適度に。
タバコはできればやめたほうがいいですが、どうしてもやめられない場合も節煙を心がけましょう。当院では禁煙相談もお受けしています。

●ストレスをためないように心がけましょう

▼睡眠も大事です。気持ちをゆったりとしぐっすりと眠れることがストレスをためないためにも重要です。


▼スポーツ、趣味など、自分の気持ちをリラックスさせたり解放できるものをお持ちですか?のめりこむほどのものでなくても、ちょっとした気分転換ができるものがひとつあるといいですね。



▼現代ではストレスのない生活など誰にも考えられないものです。悲観的になりすぎず、気持ちの切り替えが早くできるように、日ごろから心がけていきましょう。

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